医療事務における実技試験のコツと注意点・アドバイス
- 2017.11.06
- 医療事務
私は独学で医療事務・調剤事務・歯科事務に合格しました。
その時の勉強方法とコツをご紹介します。
テキストは試験機関から出ている「ソラスト」という教材です。
Photo by Hush Naidoo on Unsplash
医療事務試験の概要をつかむ
医療機関に勤めているわけではなく、教えてくれる人もいないので、まずは試験の概要を把握するのも大切でした。
私が受けた試験は学科1時間、実技3時間です。
テキストも何もかも持ち込み自由、ですがどこになにが載っているか、多くの症例や特例を知っていなければ簡単に引っかかってしまいます。
学科はマークシートで、保険関係や間違い探し、全10問の7割合格です。
これは、とにかく過去問、練習問題を解くこと。
かなり似た問題が出てくるのですが、その中でも必ず得意不得意が出てきます。
そして実技問題は、大きく3問、①間違ったレセプトの訂正②外来診療のレセプト書き③入院のレセプト書き。
これは時間との勝負、いかに素早く正しく書くかがポイントです。
学科試験を攻略する
勉強始め編
この問題の傾向は、(1)~(4)の中で正しいもの、もしくは間違いを探しなさい、というものです。
最初は時間を気にせず解き、自分の実力を知っていいと思います。
ただここで重要なのが、なぜ間違ったのかを細かく理解すること。
私は独学だったので解説してくれる人がいなかったうえに、学科の解答にはあまり説明がありませんでした。
しかし、スルーするわけにはいかないので、ここには時間を使いました。
特に注目するのは「正しいものを選びなさい」の問題。
つまり答え以外は間違い、例え自分がその問題に正解していてもその間違いの解説を自分なりに書き込みます。
間違いの部分に線を引き、こういう理由で×、テキスト何ページ参照など。
慣れてきた編
実技にも手をつけて、医療事務試験全体に慣れてくると分かるのですが、学科試験勉強には時間を使えません。
比較的資料をコンパクトにして勉強できる学科試験は、「すきま時間」で勉強しましょう。
私はバスなどの移動時間を使ったので、本当にどこでもできます。
実技試験を攻略する
レセプト訂正
この訂正を苦手視する人は初期段階でたくさんいます。
最初からレセプトを書くのではなく、書きあがっているレセプトの間違いを探して理由を書きます。
綺麗に書かれたレセプトは、「どこに間違いがあるのか?」という気分です。
大まかに考えると実技で1問1時間と思えるのですが、最後の入院は書く量が多くここで時間を節約したいので30分目安です。
この問題は二通りのやり方があると思います。
まず、「全部正解では?」と思う人は、思い切って自分で一から書いてみること。
問題自体難しいわけではありませんし、レセプトを完成させる問題ではないので汚くても良いのです。
もう一つはヤマをはること。
何でもそうですが何度も解けば問題の傾向が分かってきます。
診療回数、点数の転記漏れ、患者の個人情報、など注目すべき点があるので、そこだけを重点的に見ること。
このやり方が時間もかかりませんし、正しい解き方です。
医療事務に従事する方から聞いた話しでは、この訂正はプロならちょっと笑ってしまうくらいな「おっちょこちょいミス集」とのこと。
初めての人間は必死ですが、働くなら確かにそうかもしれません。
レセプト作成外来
レセプトとは、カルテを見て点数などを書くのですが、大まかに3か所の記入に分かれます。
患者の個人情報・点数欄・そして点数の内訳を記入する摘要欄。
また、外来は診療を受けてそのまま帰宅することで、レセプトを作成し始めるならここが初級編です。
レセプトは1人の人の一か月分作成するものなので、時間・回数・年齢に注意します。
入院よりも外来の方が比較的あっさり解けるので、両方に手を付けるのでなく外来でレセプトに慣れた方が良いでしょう。
この問題で引っ掛けに多く登場するのは子供の患者です。
子供は、乳児幼児などで取れる点数が異なるため、比較的難しくしづらい外来試験は、途中で子供の誕生日が到来し年齢が変わり点数も変化するという問題が出るのです。
大人なら何も気にせずに解ける問題が、子供だととても神経をつかいますが、注意しなければ!と問題中ずっと意識していれば、ミスも減るはずです。
レセプト作成入院
ある程度外来に慣れたら入院と並行して勉強してみてください。
入院は時間がかかる、そして外来の時には素直に取れていた点数を取れなくなる(入院費に含まれるので除外する)という注意点が出てきます。
入院に時間がかかるのは、「入院してまで診療されている、つまりややこしい診療」というカルテが増えるからです。
外来ばかり解いていると、入院のレセプト書きはとても果てしなく感じてしまいます。
また、外来には無い食事の点数も出てくるので診療部分ばかりに気を取られてしまうと、最後の最後に時間が足りなくなります。
そのため、入院から解き始める人も多いように思います。
学科と違い、レセプトは途中で書くのをやめることが難しく、手を付けたら最後までいかなければミスが増えます。
集中力があり、時間に余裕のある最初に始めるのは良いことですが、残り二問にも時間を残せるよう努力しましょう。
レセプト書きの注意点
カルテに書かれていることはほとんどが点数になるので、私はカルテを見た瞬間からその一つ一つの出来事を丸で囲みます。
そして、転記したら線で消して記入漏れを防ぐのです。全く書かないという人もいるので、人それぞれですね。
また、書く順番(投薬・注射・検査など)を間違えると大変なことになります。
ボールペン記入が決まりなので、消すことができないため、汚く見にくくなるし間違いが増えます。
最初のうちから書きやすいボールペンを準備し、一発書きの力をつけてください、マークシートではないため、ある程度綺麗に書くことも重要です。
一つのことについて、長々書くこともあります。
どのように書けば良いか迷い減点されないよう、点数表にはこれまで解いたちょっと書き方の難しい問題などは解答例を書き込んでおくと安心できます。
勉強場所
医療事務は勉強場所がかなり限られます。
何故なら、資料をいっぱい広げる、電卓を使うのでうるさい、資料が重い、この三つです。
私は家で勉強する習慣がないので、図書館の電卓・PC利用可ルームで勉強しました。
空いていればカフェも良いですが、1問にかかる時間が長いので、集中できる場所が良いと思われます。
荷物が重たいので本当は家で勉強できれば良いのですが、集中力のない私には無理でした。
試験結果と最後のアドバイス
実は私は1回落ちました。
というのも、この試験は2か月に一回行われているので、何度も挑戦できるのです。
完全に自分の実力も分かっていない見切り発車の状態で受験してしまいました。
負け惜しみですが、何度問題を解いていてもやはり本番は違うものです。
記念受験というわけではありませんが、一度チャレンジ出来て良かったです。
アドバイスは、絶対に忘れ物をしないこと。
普通の試験と違い、資料は持ち込み可です。
つまり、持ち込まなければ100%ほとんどの問題が解けません。
ここで、過去問を解く際に記入していた「テキスト何ページ参照」が活躍します。
似た問題は必ず出てくるので、テキストから直接探すもよし、過去問から逆引きするもよしです。
特に気になる問題は付箋を貼っておくと時間をかけずに見つけやすいです。
テキストの色々な場所に、受験時の自分のため多くのメッセージやヒントを書き込んでおきましょう。
私は職業柄必要で勉強をしましたが、会社から特に援助は無かったので、お金を極力かけずに勉強できる独学を選びました。
もし、医療事務のお仕事に就きたいと思うのであれば、やはり経験者の方に教わる方が効率もいいし格段に為になります。
ですが、私はこの方法で医療事務・調剤事務・歯科事務に合格しました。
独学しやすい試験でもあると思います。
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