社会人になってから社会福祉士を取得した勉強方法
- 2018.08.24
- 福祉
大学卒業時の国家試験には不合格となる
私は、大学の福祉学科を卒業し、社会福祉士の受験資格を取得しました。しかし、卒業直前の国家試験では、熱心に勉強しておらず、結果は不合格となりました。熱心に勉強していなかったのには理由があります。一つ目は、学生時代からアルバイトをしていた高齢者向けのデイサービス施設で、資格がなくても相談員として就職できることがすでに決まっていたこと。二つ目は、私の住む都道府県では、社会福祉士を取得していなくても、高齢者施設での相談員業務ができたことです。
社会福祉士は、現在、業務独占資格ではなく名称独占資格です。業務独占資格とは、医師のように、その資格がなくては医師としての仕事ができないといった資格です。対して、名称独占資格とは、社会福祉士のように、その資格がなくても相談員等の仕事はできるが、資格なしに社会福祉士を名乗ることはできないといった資格です。ただし、高齢者施設の相談員に必要な資格要件は都道府県ごとに違います。
このように社会福祉士は名称独占資格であることから、私の学生時代の友人にも、卒業後、福祉施設への就職がすでに決まっていて、資格試験の勉強は熱心にしていないという人が多かったです。これは、私見ですが、大学で社会福祉士養成コース卒業した人の何割かは、福祉施設やその他の就職先が決まった上で、卒業前の社会福祉士の国家試験を記念受験することがあるのではないかと思います。社会福祉士の合格率は30%前後で、同じ福祉関連資格の介護福祉士やケアマネジャーの合格率に比べて低いですが、その理由は、この記念受験にもあるのかもしれません。
退職を機に社会福祉士試験の勉強を始める
最初に勤めた高齢者向けデイサービスは、職場環境の劣悪さなどを理由に数年で退職することとなりました。
退職後、すぐに再就職することも考えましたが、今後も高齢者福祉の分野で働いていきたいという気持ちは変わらず持っていたため、これを機に、再度、社会福祉士の国家試験に挑戦してみようと考えました。
ちょうど退職したのが11月だったので、試験がある2月上旬までは約2カ月ありました。勉強時間としてもちょうどいい期間だと思いました。
私が行った勉強方法
社会福祉士の資格試験の勉強をするにあたり、社会福祉士取得のための塾に通うことも考えましたが、仕事を辞めたところで貯金で生活していたので、貯金をこれ以上減らしたくないといった事情もあり、テキストなどを買って自力で勉強することとしました。
そこで、まずテキストと過去問を本屋で購入しました。私が大学を卒業してから数年が経過していたため、国家試験の内容も変わっているかもしれないと思い、学生時代のものは使わず、テキストと過去問は新しいものを購入しました。
また、テキストと過去問を購入する際は、それぞれネットで調べて、口コミで評価の高いものを選び、本屋で中身を確認した上で、自分に合いそうなものを購入しました。あと、私は、本が何冊もあると頭の中で整理するのに時間がかかるタイプであるため、この購入したテキストと過去問の2冊のみを徹底的に勉強すると決め、他の本は購入しませんでした。
購入後、まずは自分の今の実力を知るため、家でさっそく過去問を解いてみることとしました。しかし、結果は惨敗でした。
大学の福祉学科を卒業しているので、福祉用語がわからないといったことはありませんでしたが、思っていた以上に内容が広範囲で、かつ細部にまで渡っていて、正直わからないことが多かったです。このままでは、また不合格になると焦った私は、本腰を入れて勉強することとしました。
勉強時間の作り方
当時、私は一人暮らしをしており、家で勉強すると、ついテレビを見たり、お菓子を食べたりとダラダラしてしまいがちであったため、外で勉強することにしました。そして、退職して気が緩んでしまい、起床時間も遅くなりがちだったので、生活リズムを整えるためにも、朝2時間の短期アルバイトを入れ、その後、家には帰らず、その足で図書館やカフェに向かい勉強することに決めました。
そして、購入したテキストを試験の半月前までには終わらせると決め、その日までに1日何ページすれば終わるか計算して、そのページ数が終わらなければ家には帰らないというルールを決めました。
ちなみに、毎日、新しいページを勉強する前には、必ずそれまでに勉強した範囲の復習をしました。次から次へと新しい知識を入れていくと、前に覚えた知識が薄れていくので、社会福祉士のような広範囲の勉強をする際には、これは必要だと思います。
意志を強くもって勉強時間を確保できる方なら、ここまでルールを決めなくても勉強できるのかもしれませんが、私はあまり意志が強くない上、退職したことで気も緩んで生活リズムが崩れがちであったため、自分に厳しいルールをあえて決めました。このルールが功を奏したのか、勉強は計画通り進みました。つい、だらけてしまって勉強時間が確保できないという方には、自分に合ったルールを決めて、勉強せざるおえない環境を作るのもおすすめです。
過去問に再挑戦
予定通り、試験の半月前までにテキストの最終ページまで勉強した私は、再度過去問を解いてみました。以前より、内容も格段にわかり、自信を持って答えられる問題も多くなっていましたが、採点をしてみると、あと一歩、合格点には届きませんでした。しかし、そんな時のために、残しておいた半月の時間です。そこで、また、テキストをはじめから読み返して、忘れかけていた知識を徹底的に頭に入れる作業をしました。そして、また過去問を解くということを何度も繰り返しました。
ちなみに、何度も同じ過去問を解いていると、その過去問自体の答えを覚えてしまうので、私は過去5年ぐらいの過去問が載った本を買い、解くたびに新しい過去問を解きました。そして、採点するときは、何が間違っていたのか確かめ、その知識もしっかり覚えるようにしました。試験日には、テキストも過去問も書き込みでいっぱいになっていました。
社会福祉士試験当日までの体調管理
社会福祉士の国家試験は2月なので、ちょうど風邪などもひきやすく、体調を崩しやすい時期です。とくに、私は仕事が忙しい時期などは不摂生から風邪を引きやすい傾向にあったので、試験日まで体調を崩さないよう体調管理を徹底しました。
勉強は遅くまでし過ぎず12時までには寝る、食事はバランスよく摂る、帰宅したら手洗いうがいは必ずする、温かい格好をする(特にカフェや図書館は入口に近い席だと寒いことも多いので、羽織れるものを持って行きました。)など、できるだけのことをしました。せっかく勉強しても、試験当日、体調を崩していては、勉強の成果がだせないかもしれないので、これから試験を受ける方は、ぜひ体調管理にも目を向けてみて下さい。
試験当日の流れ
試験当日は、早めに家を出て、1時間前には試験会場に着くようにしました。そして、試験会場で、テキストを開いて、再度、知識の確認をしました。早くから席に着いておいたほうが、その場の雰囲気にも慣れるので、おすすめです。ちなみに、私がこのとき受験した試験会場は思っていてたよりも暖房が効いていて暑かったのです。そして、大学卒業時に試験を受けた会場は寒かったです。
試験会場の室温によって脱ぎ着できる服装がおすすめです。暑過ぎると頭がボーっとしますし、寒いとそれはそれで気になって集中できないからです。合格発表は、約1ヶ月半後でしたが、無事合格していました。そして、私は、その後、高齢者施設の相談員として再就職しました。あんなに毎日勉強したのは、学生以来でしたが、私にとっては楽しい時間でした。そして、勉強した内容は、再就職後も役立ちました。これから、社会福祉士の国家試験に挑戦する方に、ここに書いた私の体験が参考になればと幸いです。
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