CADトレース技能審査機械部門の試験に合格した私の勉強法
- 2017.10.17
- 建築
CADトレース技能審査機械部門の試験に受かりました。私がどのように勉強したのか書きたいと思います。
Photo by Philip Middleton on Unsplash
どうしてCADの資格を取ろうと思ったか
短大を卒業後、一般企業で総務や経理の仕事をしていましたが、結婚を機に他県に引っ越すことになり退職しました。再就職しようと何社か面接を受けたのですが、新婚でもう少しで30歳という条件が悪かったのか、採用してもらえませんでした。
今まで頑張って働いて経験を積んできたつもりでしたが、履歴書に堂々と書けるような資格や強みがなかったのです。
以前働いていた会社で、CADオペレーターの方が産休に入った時期がありました。その時に私がCADが使うことができたら、もう少し仕事の幅が増えるのにと思いました。そしてCADオペレーターの方は産休が終わってからしばらくは、在宅でお仕事をされていました。そういう働き方ができたら将来役に立つのではないかと思いました。
職安で相談したところ、ちょうど職業訓練校が受講生を募集しているとのことでした。CADや製図について学べる学科があり、文系の私には苦手分野でしたが再就職のために挑戦しようと思ったのです。
職業訓練校に入るには
職安で必要な手続きを済ませ、指定された日に面接があります。私が通った学科は応募が殺到し、定員を大幅に上回る応募者がいました。
簡単な筆記試験のあと訓練校の講師による面接がありました。 専門的な知識に関する質問がいくつかありましたが正直にわからないと答えて、わからないからここで勉強させて下さいと言いました。
私の印象だと面接では、CADや製図の知識があるかどうかよりも、職業訓練が終わったあと就職につながる人材かどうかを見ていると思います。
職業訓練校
全くの初心者だったのでとにかく授業についていけるかが一番心配でした。クラスは20人ほどで男女比は7割男性3割女性でした。
男性は多くが機械技術者か、ものづくりの経験者で女性は未経験者が多かったです。
授業は平日9時から15時までです。お昼休みが12時から12時45分までありました。授業が終わってから17時ごろまで教室やパソコンを自由に使うことができました。講師がしばらく残ってくれていたので、その日の授業でわからないところを聞いていました。
授業内容
- JISに基づいた機械製図を習得します。
- ねじ、歯車などの主要な機械要素を習得します。
- AutoCADの操作を習得し、部品図の作成方法、図面の出力方法、図面管理などを学びます。
- 射出成型金型の概要を学び、金型のスケッチ→CADトレース→組立まで行います。
- 組立図→部品図への展開の演習問題を行い、実際の設計作業に基づいた学習をします。
- 3次元CADで立体モデルの作成方法を学び、CAD/CAMで加工定義する金型を作成します。
- 3次元で描いた部品を アセンブリし干渉チェックを行います。
- マシニングセンタのマニュアルプログラミングによる機械の動作、切削条件を学び自動運転で部品加工する技術を習得します。
- CAMで出力されたNCデータをNC工作機械に転送し、曲面などの3次元形状加工をします。
試験勉強について
職業訓練には半年間通いました。授業を聞いているだけでは試験に受かる気がしなかったので、毎日残ってひたすら図面を描く練習をしてAutoCADに慣れていきました。一人でもくもくと問題を解くよりも、講師やクラスメイトに聞きながら図面を描く方がたくさん得るものがありました。
私の場合は本当に初心者だったので、AutoCADの操作以前に図面に出てくる部品が全くわからなくてとても苦労しました。
そんなときに、まわりに声をかけて部品の見本を見せてもらったり、何に使うものなのかを教えてもらったりしました。
初めから問題なんて全然解けなかったので、過去問に取り組み出したのは授業が始まって4ヶ月目になってからです。
試験について
筆記試験は制限時間が40分です。真偽方式の30問が出題されます。
製図一般、機械加工全般に関する基礎及び関係法規、CADアプリケーションソフトの活用、CADシステムの活用等についての問題です。
過去問を何回もやれば問題ないです。時間が余ったので、途中退室可能になったら教室を出るくらい余裕がありました。実技試験は制限時間が60分です。
CADを使用して、尺度1:1の正投影図で示された関連性のある2つの完成した部品図をもとに、尺度1:1でトレースをします。実技試験は得意な部品の図面だったので割と余裕を持って取り組めました。最後に図面をプリントアウトするのですが、そのとき間違いを一箇所見つけて焦りました。それ以外は大丈夫で、ほぼ満点に近い点数で合格できました。
ここが大事だった
まずはしっかり製図の勉強をして部品についての理解を深めることが大事です。図面を見て部品のイメージが出てこないときは必ず質問して模型を見せてもらうか、なければ3次元CADで作ってもらいました。
CADトレースや製図を学ぶのに必ず学校に通わなければならないわけではないですが、同じ目標を持つクラスメイトがいたことは心強かったです。20代から50代までと年齢層や職歴も様々でしたが、お陰で途中でめげることなく試験に合格できました。今でもわからないことがあると講師やクラスメイトに連絡を取って教えてもらうこともあります。
難しかったところ
私のような未経験者がクラスにも少しいましたが、みんなすごく苦労していました。まず、図面を見ても何の部品なのか全く見当がつかないからです。基本的な知識を詰め込んだあとはひたすら図面と向き合っていろんな部品のばらしをやりました。
AutoCADは毎日使えばすぐに慣れると思います。
もともとものづくりに関わっていて、この資格を取ろうと思ってるいる方なら過去問さえやれば比較的簡単に合格できそうです。
試験に合格して広がる仕事
今まで経理や総務の事務系の仕事しかできませんでした。今後は事務の仕事でもCADのお手伝いや、もっとスキルアップアップしてCADオペレーター、機械設計補助の求人にも応募できそうです。
しばらく経験を積んで、子供が小さいうちは在宅で仕事をすることが目標です。
CADオペレーターや機械設計は、常にパソコン画面に向き合って仕事を進めていきます。一方で設計士からの細かな指示を見落とさず、正しい図面を作るためのコミュニケーション能力も必要になります。
職業訓練校に通って気難しい講師や様々な年代のクラスメイトと勉強することで、コミュニケーション能力も身につきました。
既に機械設計補助などのお仕事をされている方なら、設計士さんに積極的に質問したらどんどん知識が身につくと思います。気難しい方が多いですが、教えてくださいと言われて悪い気がする人はいません。
一人で抱え込まず周りを巻き込んでスキルアップしていきましょう。
苦手分野だったので、勉強を始めたばかりのときは果てしない道のりのように思えて挫折しそうでした。
でもみんな何事も最初は初心者なので、向き不向きは後で考えようと思ってひたすら勉強しているうちに、自然と製図がわかるようになり好きになっていきました。どのくらいCADが使えるかわかる目安にもなりますし、履歴書に堂々と書ける資格です。初めはわからないことだらけで辛かったですが、半年間頑張って勉強を続けて本当に良かったと思っています。
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