第一種電気工事士試験に合格した私の勉強方法と大切なこと

第一種電気工事士試験に合格した私の勉強方法と大切なこと

第一種電気工事士試験は、第二種電気工事士としての実務経験を重ねて受験される方が多いです。実務経験がないと試験合格をしても免許申請ができないためです。従って受験者は、普段から電気工事を行う「プロの方」が多くいらっしゃいますが、合格率は筆記試験が45%前後、技能試験が60%前後で推移しています。この数字は他の国家資格試験と比べた場合、合格率が比較的高めなように感じます。

しかし、プロの人が受けてもこれだけの合格率ということを考えると、合格率の数字だけでは推し量れない難しい試験と言えます。私は幸運にも、一度の受検で合格することができました。そのときに使用した勉強法や参考書、工具等について、何かのご参考になればとご紹介したと思います。

筆記試験の対策

筆記試験の対策は過去問中心で行いました。本番試験で同じ数字や解答が出ることは稀ですが、考え方やポイントはほぼ毎年同じようなところが出題されます。勿論、本番では初見の問題も出題されますが、過去問を重点に学習していれば、合否に影響を与えるほどの数は出題されません。

学習に使用した図書は「ぜんぶ解くべし! 第2種電気工事士筆記過去問2016【すいーっと合格赤のハンディ】 (すぃ~っと合格赤のハンディ)」という問題集を繰り返し解いて学習しました。

直近10年間の過去問が載せられており、単行本サイズで隙間時間などでも使用しやすかったです。解説がシンプルで要点がつかみやすかったのも使用を選んだポイントでした。基本的に計算問題以外はノートをまとめたりせず、3回程度繰り返しました。尚、「計算問題に対して強いアレルギーがある方」は計算問題を完全に飛ばしてしまっても合格することは可能だと思います。ただ、解説を読みながら学習すれば溶けるようになる問題が多く、最後まで手を付けないのは「もったいない」と思います。学習時間は50時間/月で約3か月準備をしました。

試験会場は埼玉県内の大学キャンパスでした。圧倒的に男性割合が多く、一部に高校生の姿もありました。試験時間は2時間20分ですが、ほとんどの方は1時間以内で終了します。試験終了時間までペンが動いている人は、残念ながら勉強不足が否めない方です。問題用紙を持ち帰れる時間まで待ってから退出をしました。インターネット上に解答が出るため、約1か月後の合格発表までモヤモヤして過ごすよりは、退出時間を待って問題用紙を持ち帰り、実質的な合否を確認してしまった方が良いと思います。
約8割の正解で合格となりました。

実地試験の対策

実地試験では筆記試験と異なり、圧倒的に試験時間が足らない試験となります。1時間で問題用紙を見て「複線図」を作成し、作品を作る作業になります。使用する工具類は第二種電気工事士試験で使用した工具で対応可能ですが、新たに下記のものをそろえました。
①フジヤ ケーブルハンディカッター 240mm

第一種電気工事士の実地試験ではKIPという高圧線用の電線が必ず使われます。この電線は被覆が厚く、切断する際にケーブルカッターを使用したほうが圧倒的に早く切断できます。
②ベッセル ワイヤーストリッパー より線C 3000C


使用しているケーブルストリッパーにより線対応のものがなかったので購入しました。
練習用の部材についてはAmazonで「すぃーっと合格 第一種電気工事士試験練習用 器具+ケーブル2回用セット(28年度版)」を購入しました。

1日に1問以上を作成するようにしながら練習を繰り返しましたが、最初は制限時間1時間に対し2時間近くを要した問題もあって、自分の不器用さに辟易したのを覚えています。しかし苦手な問題でも3回繰り返すと50分台で作成できるようになりました。試験直前は1日に2課題をこなして、どの問題が出ても対応できるよう準備を進めました。

また合間時間を中心に単線図を複線図に書き換える練習をしました。第一種電気工事士試験では10問の問題が公表されますが、線の種類等については公表されません。さらに試験当日に部材の位置など何らかの変更が急きょ発表されることもあるため、複線図をかけるようにすることは合格への必須条件になります。時間が足らない試験ですから、複線図の作成には時間をとれないため、スムーズに書けるようになるまで何度も練習をしました。最終的に5分以内で複線図をかけるようになりました。

試験結果

試験会場は埼玉県内の大学でした。インターネット掲示板では、ある会場で「机が狭くて工具がおけなかった」というような書き込みもありましたが、机は3人掛けタイプのもので両端に受験生が着席するかたちでした。このため、机の中央は使用する工具を置くスペースとして使えたので、十分な作業スペースが確保できました。また、以前は全国で同一の問題が出題されましたが、この年(2016年)からは、都道府県ごとに異なる問題が出題されるようになった年でもあります。(以前は、某講習会に参加すると3問程度にまで絞り込めるという有名な話がありましたが、通用しなくなりました。)ただ、比較的得意とする問題の出題であったため、ラッキーではあったと思います。ただ、緊張もあったせいか普段よりも手間取り、完成までに50分を要しました。残りの10分で不良個所がないか、複線図通りとなっているかを確認しました。

十分に見直しやチェックはしたつもりでしたが、日が経つにつれ不安にさいなまれました。私は、接地線(白)を正しく設置側に挿入したかという、普段は間違うはずもないところが気になって、合格発表まで悶々とした日々を過ごしました。

結果は郵便物で送られてきますが、それよりも早く一般財団法人電気技術試験センターのホームページで確認することができます。運よく…合格でした。試験結果は受験票の番号でのみ照会が可能で、氏名などによる検索はできません。試験が終わっても受験票は取っておくようにしましょう。

難しかったところ

時間の余る筆記試験に対して、実地試験は圧倒的に時間が足りません。私の会場では時間内に課題を完成できず、試験時間終了後にも作成を続けて、試験監督から注意を受けている人もいました。公表課題を繰り返して数をこなし、慣れることが重要です。

試験に受かるためのコツ

第1種電気工事士の試験の山場は、やはり実地試験です。冗談か真か、実地試験の試験対策に時間が取れず、山を張る人がインターネット掲示板などで見られますが、1年に一度の試験でのこのようなギャンブルは避けるべきです。また練習用の部材などが2回分で30000円前後、受験料が10000円前後かかり、ケーブルカッターなどの工具を追加購入した場合はさらに費用がかさみます。費用面だけを考えても失敗は許されないのだと、自分にプレッシャーをかけて公表課題を繰り返しましょう。

また注意すべき点として、筆記試験の合格発表後は、部材+ケーブルセットがAmazonなどで一時的に品薄になる場合があります。筆記試験の合格は、問題用紙の持ち帰りなどで早めに確認し、「手待ち」のないように実地試験の対策に取り組みましょう。

ここが大事だった

「複線図」を書かずに作品を作る人がいますが、この方法で対応できるのは第2種電気工事士試験までです。第1種電気工事士試験では、本番において公表問題と一部変更になって出題されます。公表問題の丸覚えでは対応できませんので、複線図をかける技術を身に着けておきましょう。

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