ITパスポートの資格取得に使った参考書と過去問・勉強方法

  • 2018.06.26
  • IT
ITパスポートの資格取得に使った参考書と過去問・勉強方法

私がITパスポートの資格取得を志したきっかけは、社内での人事評価の対象となる目標設定としてITスキルを高めることを掲げたからです。
元々パソコン周りに強くない私は、そんな自分から脱却したいと思い、苦労覚悟でITパスポートの取得を決断しました。他にもメジャーなパソコンにまつわる資格は多々ありますが、いずれも自宅での実技練習が必要なものばかりで、パソコンを所有していない私には選択の余地がなかったのもITパスポートを選んだ理由の一つです。

ITパスポートとは

ITパスポートの名は浸透しつつありますが、どんな試験かすぐに想像がつくひとはどれくらいいるでしょうか。かく言う私も、“パスポート”の部分がひっかかり、いまいち資格の概要がイメージ出来ませんでした。
しかし、受験を決めてから調べたところ、“パスポート”というのはあの旅行の際に身分を証明してくれるパスポートから由来していて、つまりは自分のITスキルを“証明する”といった意味だということがわかりました。

出題内容について

ITパスポートの試験範囲は3つの分野と5つのカテゴリから構成されています。
まず分野から紹介すると、「ストラテジ系(経営全般)」、「マネジメント系(IT管理)」、「テクノロジ系(IT技術)」の3つです。

  • ストラテジ系・・・情報化と企業活動に関する分析をするための知識やオフィスツールの活用にまつわる知識を問われます。
  • マネジメント系・・・システム開発やプロジェクトのマネジメントにまつわる知識が問われます。
  • テクノロジ系・・・さらにカテゴリが分かれていて、それぞれ「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」に分かれます。テクノロジ系は総じてIT技術を問うもので用語の知識についても出題されるのが特徴です。

これら3分野で合計1000点のうち600点を取れば合格点となりますが、さらに各分野で3割以上正答することが必須となるので偏りなく勉強することが大切です。

また、受験にはCBT方式が導入されていて、CBT方式というのはパソコンを用いて回答するというものです。さらに採点にはIRT理論(項目応答理論)というものが用いられ、まぐれで正解することがないような仕組みになっています。そのため、出題される問題の中にはダミー問題も含まれていることがあります。

このように苦手科目を作ることができず、また馴染みのない採点方式ということもありハードルが高く感じるかもしれませんが、こつこつと学習を重ねればそれほど難しい資格ではありません。

使ったテキスト

技術評論社の「80テーマで要点整理 ITパスポートのよくわかる教科書」と「ITパスポートパーフェクトラーニング過去問題集」の2冊を使いました。

選んだ理由は、どのテキストがいいかネット検索したところ高評価のレビューが多かったからです。レビュー通り、中身はわかりやすいもので、また個人的には可愛い表紙にも魅力を感じました。

また、テキストには書き込みをしたいタイプなので紙質にもこだわりがあるのですが、こちらのテキストは水性の蛍光ペンでも弾くことのない、書き心地のなめらかな紙質だったのも良いポイントでした。

勉強スケジュール

もともとIT系は不得手だと自覚があったため、受験スケジュールには余裕を持たせて半年前から準備を進めました。受験自体はほぼ毎週各地で行われていて、近い日付で受験するほうが良いかと迷いましたがテキストを一読したあと、安全に半年設けることを決心しました。

勉強期間を長く設けると気持ちが薄れがちですが、受験申し込みが開始したらすぐ手続きをとり後戻りできなくしてあえて自分を追い込む工夫をして乗り切りました。

勉強方法としては、半年のうち前半はひたすらテキストを読み込みました。初めの方は単語の意味もわからないことがありましたが、テキストには丁寧に解説されているため、解説を含めよく読むよう心がけました。

半年の後半に差し掛かりテキストの読み込みを終えたら、次は問題集で実践を積む時間に充てました。何度も何度も繰り返し解くことで、出題のパターンや問われているポイントが読めるようになってきて楽しくなってきたのを覚えています。

勉強時間としては毎日仕事から帰宅後、寝る前の30分をあてていました。決して多くはない勉強時間ですが、それでも継続して知識を積み重ねて挑みました。

勉強をする中で苦労したこと

ITパスポートを制するためには単語の暗記が必須事項と言われています。しかし、ITの世界らしく、その単語たちは横文字が多いのです。英語の頭文字をとったようなものにおいては類似したものが多く、暗記を定着させるのにはかなり努力と時間を要しました。

その中で私が得た暗記のコツは、ただの記号として覚えるのではなくそれが何なのか意味を理解して覚えることです。
例えば英語の略語であればまずは正式名称を確認するように心がけました。そのほかは、勉強をしていく中である程度問題のパターンがわかってくるのですが、ペアになる単語があることが見えてきます。この語句がでてきたら、あの単語だな。といった調子で連想して答えにたどり着けるように工夫を重ねました。

受験時の様子

受験が始まるまではとても緊張したのを覚えています。デスクトップには試験開始のカウントダウンが表示され、さらに緊張が高まってしまいました。

いざ始まってみると、緊張状態から一点、すぐに集中モードに切り替えることができました。画面に出題される問題は、いまいち自信がないものにはチェックを入れることができ、あとからゆっくりと考えることができます。また、計算問題も含まれますが、紙と鉛筆が配布されるため、それを用いて書いて計算も可能です。

画面に残り時間がカウントされますが、一通り問題を解いたあと時間を確認してみるとまだ3分の2ほどしか経過しておらず、残りは終了時刻まで見直しを徹底しました。

試験時間が終了すると一斉に画面が切り替わり、強制的に回答終了となります。もちろん早くおわった人は一定時刻をすぎれば退室可能です。

回答を終えて、画面の表示に従って操作をすればその場ですぐに得点が表示されます。はっきりと合否は示されませんが、この特典をもって合否を判断できる仕組みです。

取得してよかったこと

ITパスポートの受験ターゲットからも分かるように、仕事に役立つスキルを得られます。例えば、これまではぼんやりとしかイメージ出来なかったパソコンやwebの仕組みについて理解できるようになり、根拠をもって意見ができるようになりしました。

また、今のネット社会で不可欠な「ネットモラル」や「セキュリティの意識」が高まったことは社会人として重要な収穫だったと感じています。

仕事面以外でもネットは身近な存在なため、例えば「このページは本当に安全か?」といったふうに、危機感を常に持つように自然と思考が変わっていきました。このように、ITパスポートの資格勉強を通じて自身を守る術を見つけたような気がしています。

ITパスポートをおすすめしたい人

パソコン関係は苦手だな、と考えている人にこそおすすめしたいと思います。なぜなら他のパソコン資格に見られる操作を通じた「成果物」を求められる試験ではないからです。

受験自体はパソコンを使用するものの、それはあくまでも選択肢を選ぶ程度の操作で、早打ちなどの技術が求められらることはありません。そのため自宅にパソコンを持っていなくても試験対策が可能です。

パソコン操作の技術を問われないにもかかわらず、パソコン関係の資格として知名度が高く、また国家資格でもあるためその価値が高いことは言うまでもありません。

〇級といったランク分けもなく、一定点数を取れば合格なので何級にも渡る資格を勉強するよりはマスターする期間も短いと思います。また、思い立った時にすぐ近い日程で受験できる手軽さもITパスポートの特徴の一つなので、興味のある人はまずは受験日を調べるところからはじめてもいいと思います。

最後に

この資格は、パソコンやITに長けた人でなければ、はじめは苦手意識を持つ方も多いかもしれません。しかし、仕事で基本的なパソコン操作を身につけた以外に特筆してIT知識が無い私でも勉強をすれば合格を掴み取ることができました。

いざ勉強をはじめてみると全てが初見な知識ばかりでなく、社会人であれば自然と身につけているような知識も含まれていて、0からのスタートではありませんでした。

“社会人としての力だめし受験”として、まずは挑戦してみてはいかがでしょうか。 苦手意識が強いひとほど、知識がつくにつれて自信になります。数ヶ月後のIT知識を備えた自分を想像して、一歩踏み出してみることをおすすめします。

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