介護支援専門員(ケアマネ)の試験に合格した私の勉強法

介護支援専門員(ケアマネ)の試験に合格した私の勉強法

ふと資格試験のCMを見て、介護支援専門員の試験を知りました。具体的にどんな仕事が分からなかったのですが、何となく気になって調べてみたところ自分にも受験資格があることを知り、受けてみようと思いました。医療関係の家族が多いので周りからも取得を勧められたという経緯もあります。

いずれにしても強い使命や動機はなかったのです。そういう意味では不純な動機での受験という形で、一部の読者の方には不快な思いをされたかもしれませんが、正直にお話ししました。これから書く分には自分の失敗談も含めて話をさせて頂こうと思いますので、どうぞお付き合い下さい。

介護支援専門員とは

一言で言うと、介護サービスや近隣住民の方の活動を利用して、対象となる方や家族の方と介護計画(ケアプランを)作り、サービスの手配や近隣の方に呼びかけを行う仕事です。言わば対象者の代弁者となって、その人らしい生活を営む手助けをするのです。

補足として自分なりの言葉を使って説明をさせていただくと、現代の日本には介護保険という介護サービスに対する保険があります。介護認定を受けた方が、この保険を使うことで比較的安価な自己負担で様々な介護サービスを受けることが出来るのです。そのサービスは介護認定のレベル(要支援や要介護)によって異なったり、使用できるサービスの上限額などが事細かに決められています。

それらを本人のまた、介護サービスのみならず地域の自主的なサービスや活動を発見し、それらを運営する方への対象者さんの支援を呼び掛けたりもします。以前は介護サービスの手配人のような立ち位置でしたが、近年は対象となる方の代弁者となって介護サービスに寄らない介護の形を作り上げていく仕事になろうとしているようです。そういった資格に対して今回挑戦しました。
また、介護支援専門員の呼び名は長いので、以下からケアマネージャーあるいはケアマネと記載させていただきます。

勉強のスタートは参考書の購入から

一年の計は元旦にありという言葉がありますが、ケアマネの試験勉強も一月から始めました。介護支援専門員の制度が更新され、各社の問題集が一月に出そろうからです。今回は通信教育や講習会に頼らず、テキストのみで挑戦しました。購入したのは晶文社の「ケアマネジャー基本問題集’17 上巻: 介護支援分野」、「ケアマネジャー基本問題集’17 下巻: 保健医療・福祉サービス分野」、「ケアマネジャー実戦予想問題’17」の三冊です。早速届いてみてみると、その分厚さに圧倒されました。第一印象は受験前に終わるのかという漠然とした不安です。

完膚なきまでに通用しないが愚直に続ける。今まで介護方面に籍を置いたことがなかったので、問題集を解くたびに間違えました。あまりに間違えるとモチベーションが下がるので、上巻がダメなら下巻というように、そして一日一問でもできればいいということで出勤前や寝る前に一問だけやるという日も作り、とにかく毎日やりました。分からないところは必ず簡単なまとめを作り、理解を深めました。

申し込み

ケアマネの試験を受けるための受験票を取りに都道府県の社会福祉協議会へ行きました。すると山のように受験票が置いてあり、こんなに受けるのかと圧倒されたのですが、とある介護施設の職員が必要冊数をデスクに置いてあるプリントへ記帳しごっそり持っていきました。

施設ぐるみで試験に対応しようとしているのです。次々に別の施設や医療機関の関係者の方が10冊以上取っていくので、あわてて一冊抜き取り帰宅。早速勤務していた医療機関へ勤務証明のお願いをしました。

まさかの不受理

善は急げで、勤務証明が来るなりすぐに投函。すると二日後に受理できないという連絡が来ました。理由はこうです。自分は最初の五年間をある医療機関で勤務し、別の医療機関へ移ったという経緯があります。きっかり3月31日に退職していたのがマズかったのです。医療資格の取得はおおよそ4月15日頃に認可され、名簿へ登録される仕組みになっています。

そうなるときっかりとやめてしまったことで規定である5年間以上の勤務という条件がクリアできず、認可が通らないということになるのです。滅多にないことですが、かなり厳密にみられているということなのです。

急遽取り寄せて何とか申請が通る

次の施設に電話し、二枚目の申請用紙を追加で送ることによって受験が許可されました。とても心臓に悪い出来事でしたが、そんな中でも毎日淡々と続けて、問題集も二周目に入ろうとしていました。

勉強を続ける

一週目は全くできなかったのですが、二周目からは三割程度解けるようになりました。それと同時にスピードも加速し、二周目は半分以下の期間で終わりました。以降3週目、4周目とどんどん加速しました。最初の一週目をクリアするとどんどんリズムが乗るような気がします。

分かるから解けるし、解けるからモチベーションも上がるという感じです。5周目で大体の問題は理解し解けるようになっていました。また、各種の制度の説明やサービスの内容もそらんじることが出来るようになっていました。亀の歩みでも毎日続ければ効果があると実感したのを覚えています。

ネットの問題もやってみる

三冊の問題集でも足りなかったので、ネットで問題を解きました。かなり時代遅れの制度も普通に出てくるので、見分ける力も必要です。序盤に行うのはお勧めできないと感じました。

試験当日

実際に会場へ行ってみると人の多さにびっくりしました。人があふれ、試験会場もいくつもの部屋に分かれて行うという形になっていました。しかし事前に聞いていたことは多くの人が施設からとりあえず受けるように言われ、受けるということでまず直接のライバルにはならないということと、合格率は低いものの勉強していれば実質の合格率は意外と高いということです。

試験で一問目からいきなり法律の問題が出てヒヤッとしましたが、淡々と問題を解くスタイルが確立していたので、問題なく解くことが出来ました。

途中過呼吸で退室される方もいました。恐らく自分も継続を怠っていたらパニックになっていたと思います。終了後ネットで模範解答が出たので、自己採点。問題のない正答率で合格を確信しました。努力が報われた思いでした。

合格を知る

仕事が終わり、合格発表のページを見ると合格していました。ある程度結果はわかっていたもののかなりうれしかったのを覚えています。しかし、これからがもう一つのスタートなのです。

この試験合格して終わりではない。実務研修の開始。この試験は合格したらすぐ免許が出るものではありません。介護支援専門員実務研修受講試験に受かったというだけで、研修を受講しないと意味がないのです。3か月間の研修でしたが、グループの仲間と協力して頑張って取得できました。

まとめ

通常、施設やしかるべき医療機関に勤務している方であれば手続きや対策、試験の対応に至るまで、同僚や上司の方の支援があったかもしれません。しかし、今回自分はそういった機関に所属しておらず、家族の応援があったものの実務的には孤軍奮闘という形でした。

しかし、テキストやネットの力、そして短時間でも毎日コツコツと続けた継続力が実を結んだものと確信しています。それにささやかながら自分の人生に自信がつき前向きに生きるきっかけになったのも確かです。今はこの資格を有効に使えてはいませんが、いずれ来たるべき超高齢化社会に向けて役立つ時が来るかもしれないと思い、日々研鑽しております。

最後まで拙文乱文をお読みいただきありがとうございました。もし今年受験される方がいましたら、お読みになった方の合格を願わずにはいられません。

-->