日商簿記検定3級を経理未経験者が独学合格した勉強法

日商簿記検定3級を経理未経験者が独学合格した勉強法

前職を退職し、転職活動をしながら資格を取る事にしました。転職活動中にも何か知識やスキルを身に着けておきたいと考えたからです。数ある資格の中から、私が選んだのは「日商簿記検定」。更に、離職中の身である事から、独学で勉強する事にしました。

なぜ「日商簿記検定」だったのか?

なぜ、「日商簿記検定」を選んだかと、前職で転職組だった同僚から「簿記の資格は転職に有利!」という言葉を聞いていたからです。実際、その同僚は簿記のスキルも活かして、新しい事業のコアメンバーとして活躍する事となりました。その姿を見て、資格が実際にスキルとなって転職につながり、更に転職後も新たなキャリア形成に役立つというのを実感したのです。

そして、もう一つの理由としては、「数字に弱かったから」という事です。実際簿記の勉強をして分かる事ですが、この簿記の知識が頭に入った状態で自分の仕事を見つめなおしていれば、仕事に向き合う姿勢が大分変わっていたんじゃないかな…と思います。

また、簿記の勉強をしていれば損益計算書や貸借対照表も読み解く事ができ、企業情報を正しく読めるようになるのかな、と思っていました。株式取引も始めたいと考えていた頃だったので、ちょうど良いと考えていました。

独学での簿記検定勉強方法

独学で学ぶためにはどうすればいいのか?まずその戦略立ての為に、「簿記の勉強方法」に関する本を図書館で借りて読みました。また、同時にネットでも「簿記 独学」で検索し、どのくらい可能な事なのか、経理未経験者が独学で合格するには2級と3級どちらが最適か、もあわせて調べました。

まずは3級を目指す

調べると、2級は3級の知識が基礎知識として求められること、商業簿記と工業簿記の二種類を勉強する必要がある事がわかり、まずは3級取得を目指す事にしました。その本では、「じっくり勉強タイプ」「標準タイプ」「短期間勉強タイプ」3つに応じて適切な参考書と勉強の仕方も紹介されていました。

私は4月から勉強を始め、6月受験を目指していたため、2か月かける「標準型」のようでした。まずはテキストを読み込み、テキストを読んだ後に基本問題を解く。これを繰り返し、簿記の知識(特に仕訳)を頭の中に叩き込みました(使用したのは「スッキリわかる日商簿記3級」)

1回テキストを読み通した後は、テキスト付属の「基本問題」を通して解き、間違った項目は付箋に書き出しノートに張り付け、次回問題を解く前にはその付箋に目を通すようにしました。そして、間違えた問題は繰り返し解くという事も徹底。みるみるうちに知識がついていくのを実感したのを覚えています。

5月に入ってからは、ひたすら問題を解きました(「合格するための過去問題集」)

テキストの問題から一気に難易度が上がり、焦りました。特に制限時間内に解く事を目指し取り組んでいたのですが、なかなか計算が多い3問目・5問目については時間がかかる。これもとにかく慣れるしかなく、繰り返し繰り返し解きました。更に、一回で合格したかったので、難易度が高く合格率が低い過去問も集中的に解きました。合格目標の70点以上をまずは目指し、更に確実に合格するために直前は目標を80点に引き上げました。

勉強時間

勉強した1か月目は、一日2時間は勉強にあてるようにしていました。そして簿記仕訳アプリなどもダウンロードし、電車の移動中も仕訳を見る時間を増やしていました。

簿記3級、試験対策に簿記仕訳練習アプリ | 簿記、仕訳ドリル

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2か月目に入ると、一日2回分の過去問を解くようにしていました。過去問の場合は実践的なので、所要時間は試験と同じ2時間。2時間を2回分、時間を割くようにしました。つまり180時間を2か月間で簿記の勉強にあてていました。

試験当日

試験当日は9時から11時までと早い時間で、しかも雨が降っていました。いつもより早めに起きて、しっかり朝食を取り、受験票や電卓・筆記用具など忘れ物がないかを入念に確認しました。試験会場は駅から徒歩15分の学校です。迷うと困るので、8時には目的の駅に着くようにしていました。

それでも初めて降りる駅で、かつ道が複雑だったこともあり、到着したのは入場開始の8時30分でした。試験会場は色々な年齢の人がおり、若い人、年配の人、たくさんの人が受験する資格なのだと思いました。9時になると試験官の方が注意事項を読み上げ、回答用紙と問題用紙が配られます。

試験がスタートすると、最初は物音がしないのですが、徐々に電卓を叩く音が聞こえはじめました。そして2時間たたないうちから会場を出る人もちらほら。人のペースに惑わされず、淡々と問題を解いていくことも大事だと思います。入念に過去問を解いていた事もあり、40分くらいで問題を解き終わりましたが、もう一度最初から見直しと、更に計算間違いがないかを確認し、更に誤字脱字がないかを見直し、私が席を立ったのは1時間30分を経過した頃でした。

問題は過去問の難易度の中くらい~やや難しいくらいという印象でした。合格しているかどうかドキドキしましたが、合格発表日に商工会議所のHPにアクセスすると、自分の受験番号が合格者一覧に載っていたので安心しました。

素早い計算とテキスト選びは大事

とにかく、素早く計算する事が一番大事だと感じました。頭で覚えるというより体に覚えこませるという、どちらかというと体育会系な資格ではないかと思います。4月より前に、簿記についての本や漫画を慣れる為に読んでいたのですが、それよりも一日も早く問題を解いてみる事を始めていた方が良かったと思います。

「どのくらいの期間をかけて取得するか」を最初に決め、それに合った勉強方法とテキスト選定を行うというシンプルな方法は自分に合っていました。そして、テキスト選定もとても重要です。項目が必ず左上ページに記載がある、説明が2ページ以内で完結している事は特に重要です。

問題を解き始めてから「あれ?減価償却の直説法ってどう仕訳するんだっけ?」と思ってテキストを引いても、右ページと左ページ、上下左右と項目説明のスタートがバラバラなテキストだと時間がかかります。私はこの部分で最初のテキスト選びを失敗しました。テキスト選びにはしっかり時間をかけて、結果的に勉強時間を無駄にしないようにする事は大事です。

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