3年かけて取得した宅地建物取引士
- 2017.10.26
- 宅建
学校すらろくに卒業していないにも拘わらず、そんな私を正社員として快く迎え入れてくれた不動産会社。初めての業種で戸惑いながらも、不動産会社で必要とされる国家資格の宅地建物取引士を3年かけて取得しました。それまでの道のり等について書いていきたいと思います。
資格取得を目指した理由
30代半ばにして、全く関わった事もない不動産会社に転職し、事務員と言えど、不動産という業界も初めてで、地域の事などもわからず電話対応や来店客の対応など戸惑いながらの日々。
しかし、いくら事務員であっても、お店で1人になる事があれば、1人で何でも対応できなければいけないと思ったのが資格を取得しようと思ったきっかけではありました。
そして最大の理由は、接客している時に、来店が重なってしまった際に、そのお客様から言われたきつい一言でした。「アナタしかいないの?事務員じゃ話しにもならない、他に誰かいないの?」と。ショックでしたし、なんだか悔しい気持ちもあって、でも確かに私では何もできない、ただ希望等を聞いて連絡先を伺って担当営業さんに引き継ぎする程度。それが悔しかったんです。
それに、自分には学歴すらないという劣等感もあって、会社に対しても何等か役に立ちたい、1人でも安心して任せてもらいたいというのもありました。これらが国家資格である宅地建物取引士を目指すきっかけ、理由となりました。
何から始めたか
営業さん達は、自分自身で本屋で宅地建物取引士試験の本などを購入し、独学で取得したり、学校で取得したりしていたようですが、私にはそんな独学というレベルでは到底受かる事ができないと思ったので、通信講座を利用しました。
初めての利用で、結構費用も高めではありましたが、期待通りテキストや添削など細かいものがたくさん含まれていて、1年後もサポートしてくれるとのことで、2年間を目標に始めました。
1年目の勉強から試験結果
宅地建物取引士の試験は毎年10月に行われる1度だけ。チャンスは1年に1度しかありません。そして願書は10月よりもっと前に出さなければいけないので、早くて7月には試験を受けるか受けないかを決めておかなければいけません。
もちろん、通信講座を始めてから半年しか経っていませんでしたが、どんな雰囲気なのか、自分の実力はどのレベルなのかを確かめるべく、試験を受ける事にしました。試験会場は何ヵ所からか選べますが、ほとんど大学の一室を借りて行われます。
2時間で50問の試験で、50問は4択問題です。一見すると簡単そうにも思えますが、法律、宅建業法、借家法、税金、都市計画等のあらゆるジャンルが含まれていて、幅が広く4択も読んでいて難しい文章。
2時間なんてあっという間に過ぎ去り、案の定ギリギリの時間で見直しもできずに試験は終わってしまいました。合格発表は11月過ぎで、各資格取得学校等でも合格点がわかり次第発表したりします。30点以上あれば合格できる可能性が高いのですが、自己採点では25点。発表の回答と答え合わせしても25点でした。全く話にならない点数で、ガッカリはしましたが、雰囲気等も掴めたので、2年目は合格を!と本格的に勉強を始めました。
2年目から始めた勉強方法
2年目からは、1年目と違って丸1年間勉強に当てることができました。会社には資格を取得する旨を公表していたので、休憩時間にもテキストを開いて勉強。そしてネット上で過去に出題された問題があるので、それを繰り返しやる、テキストもジャンル別にしっかり把握する、わからない事はネットや通信講座で質問、休みの日は2時間程度勉強にあてました。
半年が過ぎる頃には、過去問題の特徴も掴めてきて、点数も上がってきていました。願書締め切りの時には、合格点ギリギリまで取れるようにはなっていたので、今度こそ合格できるという気持ちで2年目の試験に望みました。
思わぬ落とし穴
2年目の試験の結果は、惜しくも1点足らずで合格点は35点でした。実は宅地建物取引士の試験は、合格点ははっきり決まっておらず、受ける人数、平均点などから算出されるようで、同じような点数の人が多ければ多いほど倍率も高くなり、合格点ラインも上がっていきます。
初めて受けた時より少し問題に簡単に感じてスムーズに解けたのは、自分の実力がついてきていたのではなく、問題自体が比較的簡単だったという事です。その為、高得点を取る人が多くなった結果。合格点として35点~は宅地建物取引士の中では高めでした。
例年と比較しても明らかに高い合格点。40点取れていれば間違いなく合格確定ですが、そんな高得点を得る人はあまり居ないそうです。いずれにしても、1点、たった1点でまた1年勉強する事になる、今までの2年間はなんだったのかと落胆しました。
しばらくの間は立ち直れなかったのが正直なところでした。少し自信もついてきていましたし、会社でも期待されている分、また不合格というのが恥ずかしくもあり、情けなくもあり、どんな顔で仕事をすればいいのか等、考え込んだりしました。
周りの人のサポート
そんな落ち込んでた私に、とある営業さんが手渡してくれたのが、合格お守りでした。来年こそ頑張って!と。凄く嬉しかったですし、社長も別の日に参拝して祈願してきてくれたようで、落ち込んでばかり居られない、今度こそ合格しなければ!と気持ちにリセットをかけました。
色々なアドバイスも貰い、自分に足りなかったものにも気づく事ができ、違う勉強方法もできるようになりました。会社の中だけの付き合いですが、これほど親身になってくれる上司や先輩が居て、この会社に転職して良かった、学歴ない私を快く雇ってくれた会社の為にも頑張らなければと思いました。
図書館という空間
私は2年間、勉強してたところは自宅か会社。でも自宅でも両親が話しかけてきたり、会社でもサービス業である以上、休憩時間でも電話や来店等はあって途中で勉強がストップしてしまったりと、集中できる環境ではなかったように思います。
とある営業さんから図書館に毎日通って勉強したと聞き、やってみる事にしました。図書館なんて私には無縁のところだと思っていて、初めて行きましたが、とても静かで学生さんも結構勉強しに来ていました。
その中に紛れて心機一転、合格を目指して勉強する事にしました。通って勉強しているうちに感じた事は、静かで自分が持ってきた物以外には気が散る事がなく、テキスト等だけに集中でき、あっという間に時間が過ぎ去る事に少しびっくりしました。きっと同じように勉強しに来てる学生さんも、そう感じながら勉強をはかどらせていたのかもしれません。
3度目の正直
3年目の試験。どうしても今度で合格決めたいというプレッシャーから、試験中に気分が悪くなるというアクシデント。試験官に挙手で知らせて、御手洗いに特別に行かせてもらいました。その時間、たった数分でも問題を解く時間を使ってしまったので、最後は見直しも半分程度しかできず終了。
そして合格発表の日、ネットでいち早く知りたくて検索したところ、予想合格点より自己採点が1点多かったんです。しかし、あくまで予想合格点。正式な発表を見るまでは落ち着かず、気分もプレッシャー等で悪くなったり。そして正式発表は予想合格点より1点高い、つまり自己採点と同じ点数。ギリギリでしたが見事合格する事ができました。
合格してからの流れ
合格すると自宅に証書が届きます。私の場合はすぐ宅建協会等に免許を貰いに行きました。手続きは結構手間がかかり、費用もかかります。もちろん、試験受けるのにも費用はかかってましたし、まさか免許を貰うだけでも費用がかかるとは思っていませんでした。
でも、3年かけてようやく手にした資格なので、お金にはかえられないものであり、努力の賜物。免許を手にした時は本日嬉しかったです。なにより国家資格で、合格率も低いと言われている資格を、高校もろくに出ていない私が取得できた事が、自信となって新たなるやる気へと繋がりました。
宅地建物取引士を目指す人へ
宅地建物取引士を目指す人へ合格するポイントをアドバイスするとしたら、とにかくジャンル別にしっかり内容を把握したら、過去問題をひたすら解く事に尽きます。
自己採点で40点が何度も取れるようになるまでは、繰り返しやるのがポイントです。試験は過去問題の組み合わせで出題されているようです。その為、昔のものからたくさん解いておくと、試験で「この問題は見たことがある」という問題が結構出てきます。
また、ジャンルによって点数が取りやすいものと、切り捨ててもいいものなどがあり、特に最後の朴に出される情勢の問題は、過去問題ではなく時事情報が必要なので、試験日ギリギリの時にネットや新聞等で記憶するのが効率的です。
あとは、個人的な勉強方法ですが徹夜は記憶に残りにくく、午前中が吉です。そしてガムなど噛みながらやると記憶に残りやすい。私はガムよりアーモンドフィッシュを食べながらやっていました。3年もかかりましたが、全くの素人である私でも取得できたので、これから目指す人は一発合格目指して頑張って欲しいと思います。
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